硝子体手術の手術費用
単純な硝子体手術の場合、手術代が、1割負担で4万円前後、3割負担で12万円前後、複雑な硝子体手術の場合、手術代が、1割負担で5万円強、3割負担で15万円強必要です。
この金額には、片目に対しての手術費用です。
白内障手術を同時に行うと、1割負担でプラス6千円、3割負担でプラス2万円となります。お薬代が別途、5千円~1万円必要です。
申請すると、支払った金額が一定の規定額を超えていれば、還付金として戻ってきます。
また、加入している生命保険の種類によっては、「手術給付金」が支給されます。給付倍率は手術によって異なります。
硝子体手術に費用な検査
硝子体手術を受けるには、さまざまな検査が必要になります。
・検査項目
「視力検査」「眼圧検査」「屈折検査」「眼底検査」(網膜の状態を調べる)、「蛍光眼底造影検査」、「光干渉断層計」(網膜の厚さを計測する)、「角膜曲率半径」「角膜内皮細胞検査」(角膜の内皮細胞が減っていないか)、「細隙灯顕微鏡検査医」(水晶体の濁り状態)。
水晶体の濁り状態によっては網膜の電気的検査、「エコー検査」も必要となります。さらに手術が可能かどうか、血液検査や血圧測定などを調べます。
硝子体手術
硝子体手術とは、眼の奥に生じる病気に対して行われる、眼科分野でも最も難しい手術の1つです。眼内で種々の細かい、煩雑な手術操作を行う眼内手術ですが、近年、様々な手術装置、手技が開発され、手術の安全性が高まるとともに手術成績も向上してきています。
当院で行っている25ゲージを使用する小切開硝子体手術は、今までの20ゲージ(切開1mm以上)硝子体手術と比べ、手術による侵襲が極めて少なくなりました。小切開手術のメリットとしては、術後早期の視力回復、術後の違和感の軽減、乱視の軽減、炎症の減少、手術時間の短縮などがあげられます。そのため、硝子体手術を日帰りで行う施設も、まだ少数ではありますが着実に増えてきています。当院でも25ゲージ(切開0.5mm)を用いた無縫合での硝子体手術を日帰りで行っています。
50歳以上の患者さんであれば白内障手術も同時に行います。硝子体手術をおこなった患者さんは、通常よりも早い時期に白内障が発症し、進行するために同時に白内障手術を行っております。
硝子体手術前の注意点
点眼薬は指示に従い、前日には洗髪をしておきリラックス。
硝子体手術の場合、手術予定日の数日前から抗生物質の点眼薬をさします。抗生物質を点眼することで、眼の表面にいる細菌を減らし、より安全に手術を行うことができます。また、手術後の状態が良ければ3日後からお風呂に入ることはできますが、洗髪は1週間ほど控えなければいけませんので、手術の前日に洗髪をしておいた方がいいでしょう。
また、手術には不安はつきものですが、リラックスできるように心がけ体調を整えておくことも大切です。手術前夜は、胃の負担を軽くするため消化の良い食事をとって眠りにつきましょう。
コンタクトレンズを使用している場合には事前にお医者さんに相談しましょう。また、普段服用している薬があれば、そのことも事前にお医者さんに伝えておきましょう。特別な指示がない限りは通常通りに服用できます。
硝子体手術当日の注意点
・当日は指定された時間に遅れないように、時間に余裕をもって家を出ましょう。
・当日は、お化粧は控えましょう。
・洋服は、清潔で着脱しやすいものを選び、体を締めつけるような服装は控えましょう。
・手術前に病衣に着替えていただきます。
・アクセサリーなどの貴金属類も控えましょう。
・靴は、かかとが低く滑りにくいものが理想です。
・部分的な入れ歯をしている方は、手術前に外しておきましょう。
・当日の食事は軽くし、手術2時間前から水分の過剰摂取は控えましょう。
・体調に気になる事があれば医師に相談しましょう。
手術当日の流れ
前処置も含め2時間~3時間で終わります。集合時間には遅刻しないでください。
・病院到着
手術の前に前処置がありますので、指定された時間に病院に到着していただきます。指示された時間に遅れないように余裕を持って家を出ましょう。
・前処置
瞳を大きく広げるために「散瞳薬」を何度も点眼したり、血圧の測定や脈拍測定、目の状態などを確認し、全身の状態が落ち着いているかをみます。同時に術後の生活や点眼、飲み薬などの説明をいたします。
・手術
職員の指示に従い手術室に移動します。ベッドに上がると点眼麻酔を行い、次いで眼球の消毒を行います。その後、手術台、器械のセッティングを確認し手術を開始します。局部麻酔ですので、手術中も周りの声ははっきり聞こえますし、意識もあります。手術は仰向けに寝た状態で、顔にはカバーをかけて行います。非常に細かい手術ですので、急に顔や体を動かすのは非常に危険です。手術は5~10分で完了します。痛みはほとんどありませんが、痛みを感じるときは麻酔の注射を追加します。
・帰宅
手術が無事に終了し異常がなければ目をつむって安静にします。30分ほどたって全身状態の安全が確認されれば帰宅となります。
手術後の生活の注意点
日帰り手術ですが術後の安静は大切です。一般的な安静な過ごし方、生活の目安をあげておきます。
・手術当日
トイレ、食事以外はベッドで安静にしましょう。食事の制限は特にありませんが、内服薬の服用を忘れないようにして下さい。
・手術の翌日
眼内にガス、シリコンを入れた場合は体位の指示を守りましょう
入浴、シャワー不可
顔を洗わないで、濡れたタオルで拭く程度にして下さい。
テレビや新聞・雑誌などを読むときには、長時間にならないようにしましょう。
通院の際には車の運転は避けましょう。
保護メガネは1週間後の診察まで、夜寝る時も装用しましょう。
・手術後3~5日目
お風呂に入っても大丈夫ですが、顔を洗わずに拭く程度にして下さい。
事務程度の仕事や家事も可能ですが、目が疲れない程度にしましょう。
通院、外出の際には、なるべく車は避け、バスや電車などの交通機関を使いましょう。 飲酒、喫煙は医師に確認しましょ
・手術後1週間目以降
仕事や家事も平常通り可能ですが、体に負担のかかるものや危険な作業は控えましょう。
処方された薬や1日4回の点眼は忘れずに続けて下さい。
洗髪や洗顔、化粧も可能になりますが、目を強く押したり、こすらないように注意して下さい。
外出や旅行も可能になりますが、あくまでも体調をみながらにしましょう。
眼内にガスが入っている場合は飛行機は禁止です。
・手術後2週間目以降
運動は2週間目から可能になります。手術から1カ月経てば傷もほぼ完治しますので、激しいスポーツも可能になります。また、視力が安定してきますので、メガネが必要な人はメガネ合わせの検査を受けることができます。
点眼は3カ月間続きますので、くれぐれも忘れないようにしましょう。