涙とは

主涙腺という、上まぶたの外側あたりで涙は主に作られます。ここから出てきた涙は、目の表面を一様に潤したあと約10%は蒸発し、残って古くなった涙は目の内側にある小さな穴である涙点→涙小管→涙嚢→鼻腔へ流れていきます。

涙の働き

•目を洗浄し、外界からの異物を流す
•細菌やウィルスの殺菌
•乾燥を防ぎ、目の表面を滑らかに保つ
•角膜へ酸素や栄養分を届ける

ドライアイとは

涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって、目の表面を潤す力が低下した状態をドライアイと呼びます。現在、日本では約800万人ものドライアイの患者さんがいるといわれています。目の乾燥感だけでなく、異物感・目の痛み・まぶしさ・目の疲れなど、多彩な慢性の目の不快感を生じます。

原因として

涙の質・量の低下(涙液が正常ではない)

高齢、夜遅くまで起きている、ストレスが高いなど(生理的要因)
病気、ある種の降圧剤や精神安定剤、点眼薬など

まばたきが少ない

コンピューター、ワープロ、眼を酷使する作業(運転、細かい作業、読書など)

涙が蒸発しやすい

眼が大きい、乾燥した部屋など

年齢

年齢を重ねることにより涙の量、質が低下します

その他

コンタクトレンズ、アレルギー性結膜炎、喫煙、大気汚染、紫外線など

ドライアイの治療

1)点眼薬

症状が軽い場合は、潤いを持たせる点眼薬で緩和させることができます。人工涙液、ヒアルロン酸製剤などが用いられます。

2)涙点プラグ

涙の出口である涙点に栓(涙点プラグ)をして、涙の生理的な排出を人為的に遮断するような治療を行うこともあります。プラグの大きさや材質など、いろいろなものが開発されています。

3)悪化要因の除去

長時間のVDT作業や運転では、瞬きの回数が減るのでドライアイ症状を悪化させます。適度の休みを取ることが目の健康に重要です。また、涙の状態を悪くさせる内服薬、コンタクトレンズ装用などを減らすことも一つの手です。

4)その他

目の保湿を図るために、加湿器を用いたり、エアコンの設定を変えるなども有効です。メガネの周りに覆いを付けることも目の周りの湿度を上げるのに有効です。また、コンピューター、TVの画面を眼より下に置くようにしましょう。