眼精疲労とは
眼精疲労とは、視作業(眼を使う仕事)を続けることにより出る症状です。
「眼痛」「眼のかすみ」「まぶしさ」「充血」などの目の症状や、「頭痛」「肩こり」「吐き気」「食欲不振」「便秘」などの全身症状が出現し、休息や睡眠をとっても十分に回復しえない状態をいいます。
さらに進行すると、イライラや不安感、抑うつといった症状へ発展することもあります。
眼精疲労の原因
眼精疲労を引き起こす原因は様々で、主に視器要因・環境要因・心的要因の3つに分類できます。
視器要因
屈折異常(近視・遠視・乱視)や調節異常(老眼)など、眼の各種疾患があります。
環境要因
VDT作業におけるモニターの高さ・モニター画面への映り込み・部屋全体の明るさ・乾燥・エアコンやパソコン、周辺機器が発する騒音などが挙げられます。
心的要因
仕事上のストレス・神経症・自律神経失調症など多種多様です。
目になんらかの問題があって発生することが多いのは言うまでもありませんが、その多くは度の合わない眼鏡を使用していたり、老視(老眼)の初期などで無理な近業作業を行った場合などです。
緑内障や白内障でも眼精疲労が出現することがあり注意が必要です。最近は、特にパソコンなどを使用する機会(VDT作業)が増えたため、これが原因の眼精疲労が増えています。
またドライアイは眼精疲労の大きな一因を占めています。
眼精疲労の治療、注意点
従来の眼精疲労治療法としては,眼鏡の調整,ビタミンB12点眼,調節賦活剤の点眼といったものがほとんどで,眼精疲労を訴える方には決して満足いくものではありません。
・温罨法(おんあんぽう)
・冷罨法(れいあんぽう)
・目の周囲をマッサージする
・温める・冷やす
のいずれも疲れ目に効果があります。血管は冷やすと収縮し、温めると拡張します。要するに血管を刺激して血液の循環を促進させることで、目や目周辺の筋肉の老廃物が取り去りフレッシュさせるという方法です。また、目の周囲をマッサージすることも効果があります。
ただし、目の状態によっては、マッサージしたり、温めないほうがいい場合もあるので注意が必要です。目が炎症を起こしている場合や充血している場合は冷やしたほうが良いです。また,室内の乾燥を防ぐ加湿器は、眼の保湿にも効果があります。
眼鏡をかけている人がパソコン作業を行う場合の注意点としては、近視の場合は普段使っている眼鏡よりも度が少し弱め(-)、遠視の人は少し強め(+)のものを使うのが理想的であり、パソコン作業用の眼鏡を別途用意することをお勧めいたします。
パソコン作業でまばたきの回数が減れば、目の乾きが促進されてしまい、ドライアイになる可能性は非常に高いので注意が必要です。パソコン作業においてまばたきの回数が減っていると思う人は、人工涙液で目を十分に潤すか、あるいは眼鏡を使用することをお勧めします。またモニターは、目線に対して画面がなるべく下側になるように設置するのが鉄則です。モニターを見るうえで、目が上向きになるとまぶたが開く面積が増え、角膜表面にある水分の蒸発が進んでドライアイになりやすいといえます。また、常に頭を上げている状態になるため、首や肩に負担がかかります。パソコンの周りの環境も目に影響を与えるので注意が必要です。例えばモニターの周囲が必要以上に明るいと、瞳孔の括約筋が絞られ、正常な視力の妨げとなります。明るい状態が続くと、瞳孔の筋肉を使い続けることになり、結果的に目の疲れを招くためです。この場合、モニターとキーボード周辺の明るさの差を極力なくすことが重要となります